ロゴスウェアが出しているTHiNQ MakerとSTORM Makerの試用版を入手。オンラインのクイズ・テストとプレゼン教材を作成するためのソフトだ。Moodleに取り込むこともできそうだ。新たな可能性を試してみたい。
劇団昴のお芝居「イノセント・ピープル」の予告映像がYouTubeで公開されている。配役の紹介,劇作家や演出家のインタビュー,お稽古の様子などを見ることができる。
http://www.youtube.com/watch?v=dbIpUJ7yai8
【天気】晴れ。
Kindleのバージョンがいつの間にか2.5.3になっていた。Kindleは3Gをオンにしておくと自動的にアップグレードするようになっている。
買ったばかりのころ,ネット上で提供されていた情報をもとにして,日本語フォントも使えるようにしたのがだ,その後,また英語版に戻していた。今回バージョンが上がったので,再度日本語フォントを使えるようにした。非常に快適だ。
参考サイト:
・kindle 2.5系 JailBreakとフォントハック対応(記録 EKESETE.net blog, 2010.6.18)
・Kindle(本ブログ, 2010.2.13)
【天気】曇りのち晴れ一時雨。
実行委員会から,今年の科学史サマースクールの案内とポスターを送ってもらった。これから大学は試験と夏休み。ポスターの宣伝効果はあまり期待できないので,ここで宣伝する。テーマ「科学の○○科目」がちょっと分かりにくいような気がする。以前は#1701などと言っていた。どちらも関係者でないと良く分からないと思う。
科学史サマースクール2010
大学変革期における「科学の教養」 科学の○○科目をどう教えるか
日程:2010年8月4日(水)〜6日(金)
場所:立教大学
ウェブ:http://sites.google.com/site/kagakushisummerschool/
【天気】晴れ。今日がレポートの提出期限。採点の準備をする。
劇団昴から,「イノセント・ピープル」のチラシを送って頂いた。同じものが劇団のサイトに掲載されている。役者さんも決まり,どのようなお芝居になるのか楽しみになってきた。
劇団昴 ザ・サード・ステージ第29回公演
畑澤聖悟新作書き下ろし
『イノセント・ピープル』
作:畑澤 聖悟(劇団「渡辺源四郎商店」店主)
演出:黒岩 亮(劇団青年座)
公演期間:2010年8月25日~8月29日
会場:シアターグリーン BIG TREE THEATER
前売開始:7月14日(水)
料金(全席指定):一般 4000円/高校生以下 2500円
【天気】晴れ。
名古屋商科大学は,来年度入学生全員にMacBookを無償譲渡し,さらに希望者にはiPadを特別価格で提供するという。同大学では、以前からMacを導入しているが,iPadでどのような教育を展開しようとしているのか。
こうした動きが名古屋で多いのはどうしてだろうか?
・日本初,全学部を対象とした教育ツールとして「iPad」採用を決定(2010.5.14)
・IT化された学生生活(名古屋商科大学)
【天気】晴れ。半袖。夏の陽気。iPadのカバーだけ届く。鳩山首相に続いて,菅新首相は理系出身(東工大理学部卒)。
宮崎で口蹄疫が猛威を振っている。昨年は新型インフルエンザだったが,今年は口蹄疫。大体この頃の科学技術コミュニケーションの授業ではBSE(狂牛病)を扱うのだが,今年は同じ牛の病気なので学生の関心も高まるだろう。
さて,口蹄疫は人間には感染しないとよく聞くのだが,専門家はどう言っているか気になったので,まずは食品安全委員会のサイトを見てみた。すると,4/20作成,4/28更新の文書「宮崎県における口蹄疫の発生について」(pdf)が掲載されていた。そこにはこう書いてある。
食品安全委員会としては、口蹄疫は、偶蹄類の家畜(牛、豚、山羊、緬羊、水牛など)や野生動物(ラクダやシカなど)が感染する病気であり、人が感染することはなく、仮に口蹄疫にかかった家畜の肉を食べたり牛乳を飲んだりしても人体に影響はありませんので、国民の皆様には、冷静に対応していただきますようお願いします。
まず日本語が変だが,それはともかく,「人が感染することはな」いと書かれている。この文書に張ってある農水省のリンク先を見てみると,やはり同じことが書かれている。しかし,こうも書かれている。「現場での取材は、本病のまん延を引き起こすおそれもあることから、厳に慎むよう御協力をお願いします」。これはなぜか? 農水省のもう一つのリンク先を見てみると,こう書かれていた。「人が牛肉や豚肉を食べたり、牛乳を飲んだりしても口蹄疫にかかることはありませんが、感染している家畜の近くに行ったりすると、無意識のうちにウイルスを運んでしまうことがあるので、感染した家畜がいる農場に行くことは避けてください」。無意識のうちにウイルスを運んでしまうとは?
謎が深まった。そこで,食品安全委員会の文書の最後のリンク先,動物衛生研究所のサイトを見てみた。そこには,山内一也東大名誉教授の「人獣共通感染症連続講座」の口蹄疫関係のページへのリンクがあった。そこで,それらのページを見てみたら,なんと!,口蹄疫は人にも感染することがあると書かれていた。ただ,人間は口蹄疫にはかかりにくく,もしかかっても軽症ですぐ直るので健康上の脅威にはならないということだ。子どもがかかる手足口病に似たものらしい。
こうした情報から判断すると,先の「無意識のうちにウイルスを運んでしまう」ということの意味として,人間が感染し,人間が感染源となってしまうことも含まれると思われる。ただ,ウイルスは風でも運ばれるということなので(村上氏の総説),たとえ人に感染しなくても衣服や靴などに付いて運ばれるということも十分あるだろう。いずれにせよ,説明のための言葉が足りないと思う。
【天気】晴れ。夏のように暑い。研究室の気温はずっと29℃を超えている。
名古屋文理大学情報メディア学科では,来年度入学生全員にiPadを無償配布するという(同大学ウェブサイト)。孫氏の電子教科書の構想を実験するようなものだ。これまでも,タブレットPCを授業に活かす実験は多く行われてきたが,それがiPadになってどう変わるかは興味深い。
【天気】晴れ。
Ustreamで孫正義氏と佐々木俊尚氏の対談を見る。長いので,後半は飛ばし見。光の道(全国のメタル回線を光ファイバー回線に置き換える)構想をめぐってどんな意見の対立があるのか興味があったが,あまり重要な対立はなさそうだった。光の道を実現すれば国民生活が豊かになるという孫氏の主張はあまり説得力がないが,社会のインフラとして光の道を用意しておくことは悪いことではない。
・孫正義×佐々木俊尚「光の道」対談(Ustream)
・孫氏のプレゼン資料「光の道の実現に向けて」(pdf)
【天気】晴れ。
Googleが電子出版に乗り出すとのことだが,個人でも出版社として登録できるようだ。実際,既にGoogle Booksに大学史研究者の潮木先生がご自身の論文を掲載している。N先生のブログで知った。
- 潮木守一「改訂版教員需要の将来展望」(Google Books)
今年の科学史学会年会で,シンポジウム「新しいベイコン像を求めて」が開催される。それに関するサイトが開設されていた。Yさんのブログで知る。
【天気】晴れ。
久しぶりに「みんなのキャンパス」をのぞいたところ,2年ぶりに私の授業の新しい評価が載っていた。コメントを付けたいが,規約によれば,同サイトの情報を私的利用以外の目的で利用することができないようなので,一般的なコメントのみ掲載することにした。
【天気】みぞれのち晴れ。
名古屋大学高等教育研究センターから,ニューズレター『かわらばん』春号と,『名古屋大学高等教育研究』第10号が届いた。いつもありがとうございます。
分厚い『研究』のほうは,まずは目次を眺めるくらいしかできないが,Kさんの「大学院の共通教育序論」などは面白そう。だが,とりあえず昼食をとりながらでも読める『かわらばん』をさっと読む。『大学教員準備講座』という本を出版したという。これは大学院生向けの大学教員準備プログラムの教材をもとに作ったそうだ。大学教員を18年以上やっているが,もう一度基礎から確認するのに良いだろう。
【天気】雨。急に寒くなる。
今日の朝刊で,首都圏私立大の自宅外通学1年生(2009年度)の1日当たり生活費(家賃を除く)が1123円だという記事を見つけた。早速情報源となった報告書を探して読んだ。このところ下宿生の生活費は下がる一方だ。ピーク時の1990年には月73800円だった。それが月33700円へと4万円も下がっている。その背景として,親の収入も下がっていて,世帯平均の税込み年収はピーク時の1993年は1072万円だったが,そこから882万円まで200万円下がっている。そして,その収入から300万円を初年度(1月〜12月)に支払っているという(受験費用・住居費・学費・仕送りなど)。親としてはぎりぎりだろう。平均借入金は150万円だ。
一日1123円では食費すら賄えない。当然あとは奨学金などで借金し,アルバイトで稼ぐことが必要となる。本学は自宅通学生が比較的多いので,それほど厳しい状況ではないかもしれないが,昨年12月に実施した人間科学科目アンケートでは,科目選択の理由として「教科書の指定がなく,少ない費用で履修できるから」というものが上位にランクされた(体育実技以外では第3位)。これはかなり切実なことなのだろう。
参考:
- 1日の生活費1123円 首都圏私大1年生、過去最低に(2010.4.8,朝日)
- 私立大学新入生の家計負担調査 2009年度<抜粋>(pdf, 東京私大教連, 2010.4)
新学期が始まった。大学のウェブサイトが新しくなっていた。名刺を新しく作ってもらった。仕事の引き継ぎを一つ。フレッシュマンセミナーテキストの売れ行きが良いそうだ。
【天気】晴れ。桜が咲き始めた。
早稲田大学商学部では,レポートで剽窃があった場合,退学または無期停学になるという。アメリカなどではそうした厳しい処分があると聞いていたが,日本での事例は初めて知った。
参考:レポートにおける不正行為とその処分について(早稲田大学商学部)
【天気】晴れ。
YouTubeに初めて動画をアップロードする(動画はこちらから)。DSBの検索法を説明したもの。パソコンの画面がScreenFlowでキャプチャーできるので,それに簡単な字幕を加えた。ScreenFlowには直接YouTubeに送信するコマンドもあるので,簡単だ。慣れれば,様々なパソコンの操作についてのビデオが作れて便利だ。
【天気】晴れのち曇り。まだ寒い。
総合事典サイトEncyclopedia.comでDictionary of Scientific Biography (DSB)をオンラインで,しかも無料で利用できることをYさんのブログで知った。DSBは科学史家の基本ツールだが,膨大な量があり,高価なため個人で所有することは難しかった。DSBは新版 (New DSB) が出て,古いのと両方参照しなければならないが,この検索サイトでは,Complete DSBとして,両方を同時に調べることができる。
なお,旧版については,OCRで読み取ったようで,英語以外の単語の文字化けが目立つ。この点は注意が必要だ。
検索の際のヒント。DSB以外のたくさんの参考図書の記事がヒットするので,画面左上のところで検索対象をDictionariesに絞ると探しやすくなる。また,有名人を検索するとなぜかDSBの記事が出てこないので,その場合は,姓だけ入力して検索し,その後で検索対象をDictionariesに絞って姓名で検索すると出てくる。(下記ビデオ参照。音声なし。著作権に配慮し,あえて解像度を低くしている。ScreenFlowで作成。)
【天気】晴れ。昨日とは対照的に春の陽気。
本日2/23,東京地裁で槌田敦氏が東大を名誉毀損で訴えた訴訟の第1回口頭弁論が開かれたようだ。東大が出した『地球温暖化懐疑論批判』という小冊子で,地球温暖化CO2原因説を批判する槌田氏らの名誉を毀損したという訴えだ。様々な面から興味深い。教材としても使えそうだ。
参考:環境問題を考える
イギリスのNational Curriculumの歴史(history)分野に興味を持ち,少し勉強している。これは日本の学習指導要領に似ているが,実際にはかなり異なるものだ。来年度の科学史の授業を少しでも納得いくものにしたいと思っているが,日本の歴史教育の本などを読んでもいまひとつぴんとこない。イギリスのNCから何かインスピレーションが得られればと思っている。
トヨタのリコール問題は,科学技術コミュニケーションや技術者倫理の授業の良い教材になりそうだ。昨日は,ビデオニュース・ドットコムで3名の専門家が自主的に行った記者会見のウェブ中継を行っていた。現在でも録画を見ることができる。
その中で畑村氏が挙げていたリコール問題の参考書および報告書,他:
- 畑村洋太郎編著『続々・実際の設計——失敗に学ぶ』日刊工業新聞社,1996年
- 畑村洋太郎・内崎巌『リコールに学ぶ——なぜオシャカを作ったか』日刊工業新聞社,2007年
- 内崎巌・畑村洋太郎『リコール学の法則』文藝春秋,2008年
- リコール検討会「平成20年度リコール検討会とりまとめ」(pdf, 2009.3)
- 国土交通省 リコール検討会
2/14追記:
ビデオニュース・ドットコムでは,引き続きトヨタ関連の番組を流している。廣瀬・鎌田両氏はともに元リコール検討会委員。
- トヨタプリウスのリコールはあれでよかったのか ゲスト:廣瀬久和氏(2010.2.13)
- 鎌田実氏インタビュー(2010.2.12)
【天気】曇り。
最近のテレビのニュースのビデオを見ていたら,2/3の報道ステーションで剽窃事件が報じられていた。報道ステーションでは,剽窃事件ではなく,むしろ天下り団体への無駄な委託研究費の問題として取り上げていたが,私は剽窃事件として非常に気になった。
これまで得られた情報から私が理解したところによると,経緯は以下の通りである。
- 水産庁が,「平成18年度資源管理体制・機能強化総合対策委託事業」の一環として,独立行政法人水産総合研究センターに調査を委託。同センターは,(社)日本水産資源保護協会に再委託し,同協会は東京海洋大学のL教授に研究を委託。同教授が指導していた院生のH氏が協力者となった。
- 2006年9月,H氏は東京海洋大学大学院を修士論文「サンマ市場構造に関する研究」(A)を提出。
- 2007年3月,水産総合研究センターが報告書『社会経済的情報の検討』を公表。その一部に「サンマ加工・流通の実態と業者認識及び対処方向の把握に関する調査報告書」(B)が含まれていた。
- 東京海洋大学のL教授は,同大学のN准教授に論文の投稿を働きかけた。N准教授は,自らを筆頭著者とし,H氏と連名で北日本漁業経済学会の学会誌『北日本漁業』に「サンマの需給構造と市場の変化」と題する論文を投稿し,2009年3月に第37号に原著論文として掲載された。
- 同論文は,(A)と(B)からの剽窃(出典を明記しないコピペ)があり,学会内外から「盗作」ではないかとの指摘が学会に寄せられた。
- 学会は,2009年6月から対応に乗り出し,調査委員会を設け,調査を行った結果,同年11月,会長は当該論文の学会誌掲載取り消しを行った。また,学会員であるN氏とL氏に厳重注意を行った。さらに会長は,この件について会員等へ「通知」と「学会誌掲載論文の取消しに関する所懐」を郵送した。
- 他方,2009年6月,東京海洋大学にも,N准教授の論文が(社)日本水産資源保護協会で作成された報告書に酷似しているとの通報があった。同大学は,同月,研究不正調査委員会を設置して調査を行い,同年9月,不適切な点が認められたとして,N准教授とL教授に厳重注意を行った。その後,別の観点から調査の必要性が生じたとして,現在調査を行っているという。
- 2010年1月27日付で,N准教授とL教授は北日本漁業経済学会会長宛に「盗作の疑念」に関する質問書を送った。
- 2010年1月30日,毎日新聞がこの剽窃事件を報じた。
- 2010年2月1日,東京海洋大学は「本学准教授の論文に関する報道について」を公表した。
- 2010年2月3日,テレビ朝日「報道ステーション」がこの剽窃事件と,その背後にある天下り団体の問題を報じた。
- 2010年2月18日付で,北日本漁業経済学会会長はN准教授とL教授に対して回答書を送った。
- 2010年4月19日付で,北日本漁業経済学会会長は東京海洋大学学長宛に「論文『盗作疑惑』に関する公開質問書」を送った。これは,同学会の調査結果と海洋大の見解(2/1付)が異なるため。5月14日に同学会調査委員会から海洋大学学長に電話で回答を求めたところ,「現在、東京海洋大学で調査中であるので回答は控えたい」「(調査が終われば回答してもらえるのかというこちらの質問に対して)回答するかどうかもわからない。また,こちらとしては回答する義務はない」と答えたという(出典)。
- 2010年5月29日,漁業経済学会の総会で,同学会理事のN会員とL会員による理事辞任の申し出が承認された。この辞任申し出は,同学会代表理事の辞任勧告を受けてのもの(以上,漁業経済学会代表理事「総会における「組織運営上の諸問題と対処策」の審議について」による)。
- 北日本漁業経済学会事務局に,2010年7月20日付のL, N両会員による訴状が送られた。9月9日に東京地裁で口頭弁論が行われるという(出典)。
この剽窃事件では,実際の研究にほとんど関わっていないN准教授が筆頭著者になっていることが大きく問題になっている。これはこれで問題だが,私が気になった問題は,学会誌に原著論文(オリジナリティーを主張する論文)として掲載された文章に,別の報告書や論文からのコピペによる剽窃があったことだ。引用の形式をとっておらず,出典も明記していないというのだから,疑いのない剽窃である。たとえ,自分が関わった論文からのコピペであろうと,このことは変らない。北日本漁業経済学会の「通知」には,「現状では『盗作』との疑念を招く状況にある」と書かれているが,「当該論文は当該報告書と内容・表現ともにほぼ同じであるにも関わらず,当該報告書からの引用・出典を一切示していない」というのだから,剽窃以外の何物でもなく,疑念などないといってよい。
毎日新聞によると,当事者のN准教授やL教授は次のように言っているという。「准教授は『センターや協会に事前連絡しなかったことは反省している』としながらも『調査や分析には自分もかかわっている』と反論。教授も『准教授が新たに書いた部分もある。連名は合意の上で,なぜ掲載が取り消されたのか分からない』と話す」。剽窃についての反省が全くない。
北日本漁業経済学会や東京海洋大学の調査委員会でも,N准教授が実際に研究に関わり,筆頭著者としての資格があるかどうかを問題にしているが,それと剽窃とは直接には関係ない。海洋大が発表した文書には「同准教授が報告書に関与した形跡があること及び論文には報告書に記載されていない考察が含まれていることから,問題となっている論文の共著者となることを必ずしも否定するものではなく,盗用に当たるとの結論までには至りませんでした」とあるが,剽窃が何であるかを理解していないと言わざるをえない。引用の形式をとらず,出典を明記していなければ,たとえ元の報告書に関与し,報告書に記載されていない考察が含まれていようと,剽窃(盗用)であることは変らない。
研究者ですら,剽窃が何であるかを良く理解していないことがよく分る事件だ。
参考
- 北日本漁業経済学会会長による「通知」および「学会誌掲載論文の取消しに関する所懐」(pdf, 2009/11/24)
- 北日本漁業経済学会会長への「質問書」と「回答書」(pdf, 2010/1/27, 2010/2/18)
- 本学准教授の論文に関する報道について(東京海洋大学,2010/2/1)
- 論文「盗作疑惑」に関する公開質問書(pdf, 北日本漁業経済学会,2010/4/19)
- 総会における「組織運営上の諸問題と対処策」の審議について(漁業経済学会,2010/6/8)
- 引き写し:東京海洋大准教授らが論文に 学会掲載取り消し(毎日新聞,2010/1/30)
- 【特集】論文盗作騒動に潜む“天下り法人”のムダ(報道ステーション,2010/2/3)
※2010/3/25,2010/5/25,2010/7/1, 2010/9/8情報を追加。
京都FD開発推進センターが『まんがFDハンドブック おしえて!FDマン』を発行した。新任教員編ということで,大学で授業をする上で基本的な項目を30のQ&Aの形でまとめている。特徴はマンガで書かれていることだろう。FDマンというキャラクターが登場する。
最初,このセンターを京大の高等教育研究開発推進センターのことだと勘違いしたが,全くの別物だった。京都にある18大学・短大(私大中心)が協力して運営しているもの。
2/15追記:
京都FD開発推進センターから『まんがFDハンドブック おしえて!FDマン【新任教員編】』が届いた。分かりやすく,親しみやすいFD資料だ。
このハンドブックは,京都の大学間FDの成果として発行されたものだ。第二弾も計画中だという。一緒に送られてきたニューズレターには,山形大学の講師を招いたFDセミナーの模様が報告されていたが,東北地区でも大学間連携が進んでいるらしい。山形大のNG集ビデオはウェブでも見ることができる。事務NGというのも面白い。
日本のFDもいまやかなりの広がりと深まりを見せている。
参考:
- 京都FD開発推進センター
- あっとおどろく大学授業NG集(山形大学)
- あっとおどろく大学事務NG集(FDネットワークつばさ)
4/9追記:FDハンドブックは大人気のようで,在庫がなくなったようだ。その代わり,電子ブック版が公開されている。
【天気】晴れ。
2/2に剽窃に関するシンポジウムに参加してから,もらった資料を読み返し,聞いた話を思い返しながら,剽窃問題について考えている。
インターネットの発達により,学生が簡単にネットからコピペしてレポートを作れるようになった。これまでのようにレポート課題を出すと,ぞろぞろとコピペ・レポートが出てくることになる。こちらも,ネットで検索するとある程度はソースを発見することができ,非常に不愉快になりながら減点をすることになる。その不愉快さと時間・労力はばかにならない。こうして剽窃が問題化されてきた。
まず,コピペ・レポートを発見する手間が問題だ。時間と労力をかければそれなりにできるが,こうした「後ろ向きな作業」はできるだけ省力化したい。そこで,コピペルナーの誕生となった。外国では,Turnitinなど同様なサービスがかなり前から存在するという。
さて,これからはレポートをコピペルナーにかけて剽窃を発見し,減点したり,処分したりしていけば,剽窃はなくなっていくのだろうか。外国の経験からすると,それは無理のようだ。最近は,剽窃を防ぐ効果は,罰則よりも教育のほうが強いという議論もある。先のシンポでは,これからは日本でも外国のように剽窃について厳しく対応していこう,という雰囲気が強かったが,それだけでは失敗が約束されていると考えるべきだろう。もちろん,シンポでは処罰と並んで教育の重要性が繰り返し強調されていたが。
さて,ではどう教育すべきか。価値と技術の両方を教えなければならない。まず,大学(広く学問の世界)では,何を大事にしているのかということを知ってもらい,その価値観を共有してもらわなければならない。そしてまた,その価値を実現するための技術(具体的には,引用・言い換え・典拠表示)を身につけてもらわなければならない。
大学全体で取り組むべきこともあるし,個々の教員が授業で取り組むべきこともあるだろう。
大学全体としては,学生が守るべき倫理規定の中に剽窃の禁止を明記する,剽窃に対する処罰規定を定める,すべての新入生に剽窃を避けるための教育を施す,などがある。
私としては,シラバスで剽窃に対する私のポリシーを明示するとともに,レポート課題を出すときには,レポートが満たすべき要件をできるだけ詳しく示していきたい。また,剽窃とは何か,それを避けるにはどうすればよいかを理解するための自習用教材を用意することも考えたい。その上で,コピペルナーを活用し,剽窃には厳しく対応していきたい。
参考:
- Scott Jaschik, “Plagiarism Prevention Without Fear,” January 26, 2010, Inside Higher Ed, http://www.insidehighered.com/news/2010/01/26/plagiarize
- Thomas S Dee and Brian A. Jacob, “Rational Ignorance in Education: A Field Experiment in Student Plagiarism,” Working Paper 15672, National Bureau of Economic Research, January 2010, http://www.swarthmore.edu/Documents/academics/economics/Dee/w15672.pdf
【天気】晴れ。
第10回ケータイ活用教育研究会のインターネット実況中継を観た。Ustreamという無料のサービスを使っていた。東京と大阪の二会場の様子を独立で配信し,それぞれの会場ではもう一方の会場の映像を映していたようだ。私は両方を切り替えながら観ていた。
内容は,C-Learningを使っての実践報告とケータイの新たな活用を考えるワークショップ。実践報告は参考になった。ワークショップは発表がよく聞き取れず,今ひとつだった。しかし,こうした中継が簡単にできてしまうことに驚いた。Ustreamにはチャット欄もあり,活用されていた。Twitterも使えるようだ。こうしたリアルタイムのやりとりは非常に有意義だと思う。インターネット中継を見ている人も参加できる。
ちなみに,Ustreamのおすすめで,CoSTEPのシンポジウムの実況中継が出てきたのにも驚いた。
ただ,全世界にこのような映像を流してしまうのは,プライバシーの点でかなり問題があるようにも思うのだが,その点は十分考えられているのだろうか。
【天気】晴れ。
2010/1/12,消費者庁の「消費者ホットライン」の運用が開始された。これは,全国共通の電話番号(0570-064-370)から近くの消費生活相談窓口を紹介するもの。土日祝日も国民生活センターなどで相談を受け付けるので,年末年始を除いて毎日相談を受けることができるという。これは,消費者庁による地方消費者行政支援の一環。
・消費者ホットライン(消費者庁)
東京新聞の新年の連載「常識革命」最終回のテーマは,討議型世論調査(Deliberative Poll, DP)。熟議とも言い換えられている。コンセンサス会議に似た感じだが,市民パネルは無作為抽出の市民。裁判員制度に近い。裁判員制度の定着とともに,司法以外の分野でもこのような市民参加が増えていくのかもしれない。
- 常識革命 9 “コク”のある世論形成(東京新聞,2010.1.11)
- 市民討議で意見熟成 『本当の世論』探る新手法 考案者らに聞く(東京新聞,2010.1.11)
- 神奈川DP
- 藤沢のこれから,1日討論(藤沢DP)
- The Center for Deliberative Democracy, Stanford University
【天気】曇り。
一橋大学大学教育研究開発センターのサイトを見ていたら,教員用授業ハンドブック(pdf)が掲載されていた。このようなものがあればいいと考えていたので,とても参考になる。
iPhoneを学生全員に持たせる試みを始めた大学としては,外国だとAbilene Christian University (ACU),国内だと青山学院大学社会情報学部が有名だ。両大学の情報を集める。
ACU
- iPhoneは大学教育をどう変えるか:具体例をレポート (WIRED VISION, 2009.12.10); 英語原文: How the iPhone Could Reboot Education (WIRED, 2009.12.8) 最初に出会った情報。英語原文に付けられた多数のコメントが興味深い。
- ACU Connected: Mobile Learning Initiative ACUの試みに関する情報はここに集められている。iPhoneが具体的に授業でどのように使われているのかが知りたい。
青山学院大学 社会情報学部
- 青山学院大学とソフトバンクモバイル、ソフトバンクテレコムはモバイル・ネット社会の教育・研究 基本協定を締結(青山学院大学,2009.5.14)
- Japan’s iPhone school (Reuters, 2009.5.28) 動画ニュース
- “550台のiPhone”は、教育をどう変えるのか――青山学院大学 社会情報学部の取り組み (ITmedia, 2009.12.17) かなり詳しい報告。参考になる。
- C-learning(ネットマン) 青学がiPhoneで使うLMS (Learning Managament System)としてネットマンのC-learningを採用したという。iPhoneに興味を持つ前にこのシステムに興味を持っていただけに,このシステムは目が離せない。このシステムの良いところは,単にシステムを提供するだけでなく,ユーザーコミュニティを積極的に支援していることだ。
- 月刊C-learning(ネットマン) C-learningを使う先生向けの雑誌。年間購読制。
- ケータイ活用教育研究会 青学の先生も中心で活動。
参考:高知工業高専
- 高知高専 900人にiPod貸与(高知新聞,2009.9.12) iPhoneではないが,iPod touchは校内の無線LANでiPhoneと似たように使うことができる。
新型インフルエンザワクチンが重症化防止効果しかないような印象を与える政府の説明に疑問を持っていたが,同様の疑問・批判を表明している医師がいた。11/11の意見交換会で岩田健太郎氏(神戸大)が文書を提出している(「国民全員にワクチンを」pdf)。
この意見に対してどのような議論がなされたのか知りたいものだ。
(財)広島平和文化センターでは,国内外の原爆関係の大学の講座を「広島・長崎講座」として認定しているそうで,私が担当している「科学技術と倫理」に関して打診があり,承諾したところ認定書が届いた。近々,同センターのウェブサイトでも紹介してもらえるという。多くは平和学などの関係の科目なので,科学史やSTS関係ではまだ珍しい。
行政刷新会議が事業仕分けをしている。その中には,学術・科学技術関係もあり,関係者は注目している。インターネットでのライブ中継もあり,その動画や音声も公開されている。オープンな議論はいいことだ。予算を減らされる関係者は当然のことながら反発しているが,税金を払っている国民にどれだけ訴えることができるか。国民の代表である政治家を非難しているだけでは,事態は良くならないだろう。
今回のバタバタとした事業仕分けにはいろいろ問題があるだろうが,オープンな議論が始まったことは歓迎すべきだ。これでやっと研究者が国民の方を向かざるをえなくなった。
【天気】曇り。昨日は,18時開演を聴いていた。内容はもちろんだが,ライブの録音が非常にきれいに録れていることに感動した。
森美術館で11/28〜2/28の期間,「医学と芸術展(Medicine and Art)」を開催するとのこと。学内のポスターで知った。メインの展示物は英ウエルカム財団のコレクションだという。科学史的にも重要な展示会になるのではないか。
【天気】曇り。寒い朝。冬の上着を着る。
北大のSさんが,CoSTEPの歴史を振り返るブログを立ち上げた。内容もさることながら,それをブログ形式で書いていくというのも面白い。とても楽しみだ。
学術会議では,「日本の展望委員会 知の創造分科会」と「大学教育の分野別質保証の在り方検討委員会 教養教育・共通教育検討分科会」で,大学の教養教育について議論を進めている。なお,両分科会のメンバーは共通,合同会議で議論を進めている。
私の先輩のKさんが副委員長であり,議論のまとめに積極的な役割を果たしている。かつてのM先生のような役回りだ。私の属する系列では教養カリキュラムの再検討を進めているが,そろそろ理念の話をしなければならない状況に至っている。これまでのやり方を根本的に変えるには理念の再構築が必要だ。
教養の理念というと,高邁な話になってしまい,現実から遊離する危険性があるが,現在の教育自体が現実から遊離しているところもあるので,それを現実に引き戻すと捉えたい。
早く報告書を読みたいものだ。
- 分科会報告書の取りまとめに向けた構成案の整理方針(案)(pdf)
教養教育・共通教育検討分科会(第10回) 日本の展望委員会 知の創造分科会(第8回) 合同分科会(2009.8.6開催)の資料3
日本学術会議と朝日新聞社が11/23にシンポジウム「大学教育の分野別質保証に向けて-日本学術会議からの報告-」を開催するという。学術会議の「大学教育の分野別質保証の在り方検討委員会」の検討結果を踏まえたものだろう。
この委員会には注目していた。教養教育についても議論しているからだ。このブログでも2008.11.28と2009.2.14に言及している。
その後,この委員会は4つの分科会に分かれて議論を進めている。その中に「教養教育・共通教育検討分科会」があり,そこでの議論はとても興味深い。その委員に私の知人が2名(KTさんとKSさん)含まれているが,さらに今日も電車の中で聴いていたラジオ番組のメインパーソナリティーのSさんも委員であることに驚いた。
【天気】快晴。また夏に逆戻り。台風で空気が洗われて,朝,富士山が見えた。
北大のCoSTEPでは,来年度からのスタッフ(常勤・非常勤,任期付)を募集している。
科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)の教育スタッフ募集
【天気】雨。急に寒くなった。冬のような服装。
本学は現在,大学基準協会の評価を受けている最中である。あさって金曜日には審査員によるヒアリング・施設授業見学があり,私の授業も見学されるという。
昨年度の評価結果が公表されているが,多くの「大学基準への適合認定」を得たもののほか,「保留」となったところもある(5大学)。本学がそこに入らないよう祈っている。
評価結果には次のような文言があり,参考になる。
必ず実現すべき改善事項 …3 点検・評価 1) 重大な問題が相当数あるにもかかわらず、大学として、組織・活動について不断に点検・評価がなされていないのみならず、その必要性について適切に認識もされていない。さらに、提出された「点検・評価報告書」「大学基礎データ」 にも重大な不備が複数認められる。自己点検・評価の姿勢・体制・方法に欠陥 があり、この点で大学として基礎的要件を満たしえていないので、是正されたい。
一層の改善が期待される事項 …2 教育内容・方法 …(2)教育方法等 …3) 全研究科とも、FD活動については、組織的取り組みが始まったばかりで、具体的な活動はこれからであるので、積極的な推進が望まれる。
保留となったところは,その旨大学ウェブサイトなどで公表するとともに,3年後に改善報告書を提出しなければならない。評価を受けたら終わり,ではないのだ。
【天気】晴れ。気持ちの良い晴天だが,大教室に学生が満杯になると異常に暑い。
レポートにおける剽窃行為に対して私は厳しく対応しているが,試験における不正行為(カンニング)と同様の対応をしている大学が日本にもあることを知った。早稲田大学である。
ちなみに,早稲田では,今年度から「アカデミックリテラシー」という科目を開講しているそうだ。教科書も市販されている。ウェブ版もある。
【天気】雨。