授業の反省
2010年7月29日 木曜日
まだ授業評価アンケートの集計・分析は済んでいないが,授業の反省をする。
全体的に
今学期は,複数の科目で新しい内容を取り入れたため,授業準備に追われて大変忙しかった。
技術者倫理 →授業サイト
今学期の授業でもっとも内容を大きく変えたのが技術者倫理だ。これまで5年間にわたって使用してきた教科書『誇り高い技術者になろう』の代わりに,『はじめての工学倫理』を用いた。この教科書は,前半にたくさんの事例が載っているので,事例中心の授業を進める上ではとても使いよい。授業では,ビデオを用意できる事例ではビデオを観ることも取り入れながら,また教科書に載っていない事例も紹介しながら事例中心の授業を試みた。少人数のクラスなので,意見交換や討論を取り入れた授業にしようと思い,少しは実現できたが,まだ不十分だ。この形の授業をもう少し続けて,改善を図りたい。また,今学期は基本的な知識を問う試験を実施した。
フレッシュマンセミナー
フレッシュマンセミナーは,昨年度に市販本のテキストができて,今年もそれを使った授業をすることになったのだが,私としてはそのとおりに進めることに満足できず,かなり大胆に内容を組み替えた。その際,レポート作成を全面的に授業の中心に置いた。もともとは,レポート作成は後半の授業の柱であり,前半は必ずしもレポート作成とは絡めていなかった。より一貫した内容になるように努めたのである。そのため,テキストに準じる程度に書き込んだ独自の講義メモを作成した。もちろん,最終的にはテキストの内容をほぼすべてカバーした授業となったはずである。この新しい取り組みの評価は,成績評価と授業評価の結果を踏まえて行わなければならない。
科学の社会史
科学の社会史では,前年度の簡略化した授業内レポート方式をとりやめ,中間と期末の試験を行うことにした。ただし,中間試験は試験として点数化はせず,通常の小レポートと同じ扱いにした。試験では,毎回の授業で配布する参考資料を利用して解答するような記述式問題を出題し,確実に参考資料を読むように仕向けた。なお,試験での参考資料の持ち込みは可としたので,暗記は全く必要ない。答案の書き方には,まだかなり改善の余地があるものの,少なくとも資料を読んで理解することを促す効果はあったものと思われる。今学期は,毎回配布する参考資料を用意するのにかなり労力がかかった。
科学技術コミュニケーション
今学期も,全体としての構成はこれまでと同じだが,昨年度に取り扱った新型インフルエンザの話題に代えて,今学期はその前に扱っていたBSE問題を復活させた。また,これまではこの科目では試験は行ってこなかったが,今学期は試験をやってみた。その是非は成績評価の分析を行った上で判断したい。
授業ラジオ
今学期も,先学期と同様に「科学の社会史」の講義と「科学技術と倫理」のコメント読み上げ部分の録音データを授業サイトで聴けるようにした。利用した学生は必ずしも多くはないが,ゼロではないため,もう少し続けてみたい。
定期試験
すでに触れたが,今学期は「科学の社会史」「科学技術コミュニケーション」「技術者倫理」で定期試験を実施した。これはかなり久しぶりのことである。持ち込み可にしたり,問題を基本的なことに絞ったりしたため,全体的な成績はそれほど悪くなかった。以前は,あまりにも出来が悪いため,試験を辞めてしまったのだが,今回はまあまあの出来だったので,もう少し続けてみたい。
【天気】雨。
授業 /
7月29日,
授業の反省 最終更新: 2010.8.27
2009年12月17日 木曜日
今学期も,授業が終わりかけた時点で授業の反省をする。
全体的に
今学期も,いくつかの新しい試みを除いて,全体的にこれまでの授業のやり方を踏襲したため,それほど大きな苦労・困難はなかった。
授業ラジオ
今学期最大の新しい試みは,授業ラジオを始めたことだ。ラジオといっても,講義の録音をネットで聞けるようにしただけのことで,特に凝ったことはしていないが,聞きやすいように録音するのに多少試行錯誤を要した。ちなみに,講義の録音自体は自分のために長年行っていた。
この授業ラジオは,かつて(2006年2月頃)試みたことがあったのだが,他のことを充実させることを優先し,後回しにしていた。しかし,今学期,新型インフルエンザが流行し,欠席者への対応が必要になったことをきっかけとして始める気になった。利用者は少ないようだが,ゼロではないため,やった意義は多少はあったと思う。
「科学技術コミュニケーション」の内容について
今年5月頃から新型インフルエンザが日本でも流行しているため,前期のこの授業でもこの話題を扱ったが,流行が本格化した今学期も引き続き扱った。事態が刻々と変化するため,授業内容を最新のものとするのに苦労した。
「技術者倫理」の内容について
今回初めて最終回の一つ前の回でグループ討論をやってみた。教材には,日本原子力学会倫理委員会が出しているケースブックを利用した。そこから4つほど事例を選び,倫理的な観点からの検討を行った。履修者(出席者)は5名と少なかったので,やりやすかった。学生も私も初体験だったが,比較的うまくいったと思う。
その他
今学期,人間科学系列のFD活動の一環として,人間科学科目アンケートが実施された。その質問項目の中に,科目選択の理由とその際の情報源についての質問がある。私の科目がどのような理由で選択されているかが明らかになる。
2010/1/26追記
成績評価と授業評価アンケート集計を終えて。全体的な傾向はこれまでと変らなかった。難易度と進度については,改善の余地がありそうなので,質をできるだけ落とさないようにしつつ,できるだけ多くの受講者に合った内容と方法を模索したい。
授業内容の大幅な変更を最近していないので,2010年度は少し新しい試みを取り入れたいと思う。
授業 /
12月17日,
授業の反省 最終更新: 2010.7.29
2009年6月28日 日曜日
今学期も,授業が終わりかけた時点で授業の反省をする。
全体的に
今学期は,新規科目はなかったものの,新しい試みをいくつか行ったため,授業準備の忙しさは例年とさほど変わらなかった。しかし,授業に支障が生じるようなことはなく,全体的に一定の水準を保つことができたと思う。
配付資料
今学期の新しい試みの第一は,パワーポイントのスライドで見せた内容の文字部分のみを印刷した資料を毎回配布したことだ。教科書に沿って進めたフレッシュマンセミナー以外のすべての科目で実行した。ノートをとる労力を省き,講義を聴くことに集中できるようにとの配慮からである。しかし,ノートをとる必要が少なくなると,気がゆるんだり,眠くなったりしてかえって良くないかも知れない。配付資料の是非については,受講生の様子や意見なども参考にして判断していきたい。
ビデオ
今学期の新しい試みの第二は,授業で見せるビデオをDVDから再生するのではなく,mpegファイルに変換してパソコンで再生するようにしたことである。これは学生からするとほとんど変化はないように見えるかも知れないが,ディスクの入れ替え時間が省けたり,ディスク交換時のパソコンのフリーズがなくなったりと,よりスムーズな授業進行が実現できた。
授業内レポート方式について
今学期は,毎回の授業でテーマを与えてレポートを書いてもらう「授業内レポート方式」は採用しなかった。毎週大量のレポートの採点をする余裕がなくなったためである。しかし,「科学の社会史」では計3回,「技術者倫理」では計2回の授業の最中にレポートを書いてもらった。簡略化した授業内レポートということもできよう。レポートは次の回までに採点し,簡単なコメントを付して返却した。レポートは回数を重ねるごとに良くなっている。
授業サイトについて
今学期も,WordPressを用いたシンプルなサイトを構築。デザインは先学期と同じである。授業評価アンケートの結果を見ないと正確には分からないが,今学期も授業サイトを利用した受講者は少なかったようだ。授業サイトを使わせる工夫をしない限り,この傾向を変えることはできないようだ。
講義について
授業方法は,先学期と変えていない。基本的にパワーポイントを見せながら解説し,時々ビデオを見せるというものである。レポートを書く回以外は,講義時間が約1時間で,残りはコメント(小レポート)の紹介とコメントの執筆に充てられた。
「科学技術コミュニケーション」の内容について
昨年度とほぼ同様の内容を行う予定だったが,5月頃から社会問題になった新型インフルエンザに関するリスクコミュニケーションの話題を急遽取り入れた。
「フレッシュマンセミナー」の内容について
今年度から市販本の教科書『フレッシュマンセミナーテキスト』(東京電機大学出版局発行)を使うことになり,ほぼ教科書に沿った授業を行った。それに伴い,本学の歴史に関する内容はほとんど取り扱うことができなかった。それでも,教科書の内容をすべて時間内にこなすことは難しく,どこかをうまく省略ないし簡略化する工夫をしなければならない。
「科学の社会史」「科学技術と倫理」「技術者倫理」の内容について
前年度とほぼ同じ内容。前年度の教材をそのまま使ったので,授業の準備は比較的楽だったが,配付資料の作成・印刷とDVDからmpegファイルへの変換にはそれなりの手間と時間がかかった。
成績評価について
今学期も,定期試験は実施せず,授業内レポートなどレポートでの評価をメインにしている。これまで,全体的にかなり良い成績となったが,今学期も同様の傾向となることを予測している。
授業 /
レポート,
成績評価,
授業の反省 最終更新: 2010.7.29
2008年12月18日 木曜日
今学期も,授業が終わりかけた時点で授業の反省をする。
全体的に
前期に引き続き,今学期も新規科目があり,授業準備に追われた。他方,二部の授業で「技術者倫理」が受講者なし(今学期非開講)となったため,過密スケジュールだった水曜日は少し余裕をもって授業ができるようになった。
授業内レポート方式について
今学期も授業内レポート方式を採用した(「技術の社会史」で)。これで3学期目となる。毎回書いてもらう方式(全12回)だったが,採点が体力的にかなりきつくなってきた(毎週150枚ほど)。前期の「科学の社会史」で行ったように,レポートを一学期に3回程度に減らした方がよさそうだ。
授業サイトについて
今学期も,WordPressを用いたシンプルなサイトを構築。デザインは先学期と同じである。一方的な情報提供には,これが良さそうである。
総合演習の個人レポートの指導には,Moodleのサイトを利用した。こちらは,ワードファイルの提出や受講者相互でのコメント付けなどに便利。
講義について
授業方法は,先学期と変えていない。基本的にパワーポイントを見せながら解説し,時々ビデオを見せるというものである。授業内レポートを書いてもらう科目(技術の社会史)では,講義時間は30〜45分程度。残りは,レポートの返却や講評とレポートの執筆に充てられた。授業内レポート方式でない科目(科学技術と倫理)では,講義時間が約1時間で,残りはコメント(小レポート)の紹介とコメントの執筆に充てられた。
「科学技術と倫理」の内容について
これは,今学期初めて実施した講義であり,内容を一から作っていった。ウランの核分裂の発見の話から始めて,現在の核拡散問題まで,核兵器に関わる問題を幅広く講義した。ビデオを多用した。毎回,授業の最後に問題提起をして自分の意見を書いてもらい,次の回の最初に紹介した。
授業の準備は大変だったが,自分としてはとても楽しめた。ビデオの選択・編集にかなり時間と手間がかかったが,来学期からはこれが軽減されるため,準備に余裕ができるだろう。
「技術の社会史」の内容について
昨年度とほぼ同じ内容。来年度は,授業内レポートの回数を減らす分,より余裕をもった講義ができるにしたい。
成績評価について
今学期も,定期試験は実施せず,授業内レポートなどレポートでの評価をメインにしている。先学期はかなり全体的に良い成績となったが,今学期も同様の傾向となるだろう。評価の回数を増やすと,全体の成績がよくなる傾向がある。学生の学習時間は評価の回数に比例して多くなり,それだけ成績が良くなるのかも知れない。
授業 /
レポート,
成績評価,
授業の反省 最終更新: 2010.7.29
2008年6月27日 金曜日
今学期も,授業が終わりかけた時点で今学期の反省をする。
全体的に
本学に赴任して4年目に入り、授業が新しいステージに上がったように思う。先学期から授業内レポートなど新しい試みを始めたが、それが少し成果を上げはじめたようだ。学生の反応も思ったより良い。
授業内レポート方式について
先学期に引き続き,授業内レポート方式をいくつかの科目(「技術者倫理」と「科学の社会史」)で採用した。
技術者倫理では,前学期同様,毎回レポートを書いてもらった。このやり方で特に問題はなく,前回同様回を重ねる毎にレポートは良くなっていった。
科学の社会史では,毎回ではなく,講義3回に1回程度(合計3回)の授業内レポートを書いてもらった。これは,一つには受講者が多いため毎回では次の回に返却できないこと,また現在の講義の内容を教えるには毎回30分程度の講義では足りないこと,さらに各回の感想も知りたいし,受講者間で共有したいということもあったためである。
この変更は悪くなかった。授業内レポート方式は,授業の最後にレポートを提出しなければならないという緊張感が重要なのだが,当初はそれがなくなることを心配していた。しかし,最初の頃こそ受講態度に問題がある受講者が見られたものの,次第に受講態度はよくなっていった。
なお,回数を減らしたにもかかわらず,次の回に返却するということは,第1回と第2回では実現できなかった。他の授業の準備や学会関係の作業が立て込んでいたためである。全ての授業が軌道に乗ってくれば,次の回に返却することも不可能ではないだろう。
授業サイトについて
先学期までMoodleを用いて授業サイトを構築していたが,今学期はまたMovableTypeに戻してシンプルな授業サイトを作った。非公開の授業資料(スライドなど)はパスワード保護をかけた。ログインなどの面倒な手続を要せず簡単に授業サイトを見ることができることは良かったと思うが,受講者にどれだけ活用されたかは授業評価アンケートの結果を見なければ分からない。
途中からシステムをMovableTypeからWordPressに変更したが,デザインやコンテンツはそのまま継承している。WordPressはオープンソースで無料であり,また使い勝手もよいので,このまま続けて使っていきたい。
講義について
授業方法は,基本的にパワーポイントを見せながら解説するという形をとった。途中,ビデオを見せることもあった。あまり講義が長く続かないよう配慮したつもりである。
「科学技術コミュニケーション」の内容について
これは,今学期初めて実施した講義であり,内容を一から作っていった。技術者をめざす本学の学生向けに,一般的に行われている科学技術コミュニケーション関係の教育とは異なる内容にした。
すなわち,第1部では非専門家に分かりやすく説明する方法をマニュアル制作を例に扱い,第2部では人々の不安に応える方法をリスクコミュニケーションを例に扱った。前者ではデジカメのマニュアルを評価する演習,後者では牛丼チェーンのBSEリスクに関するウェブページを評価する演習を取り入れ,また,班活動とクラス発表も行い,できるだけ実践的な内容にするよう心掛けた。最後の2回は第3部として,サイエンスカフェなど最近の話題を紹介した。
初めての授業としては,まあまあの出来だったのではないかと思っている。特にBSEと牛丼チェーンを取り上げたのは良かったと思う。リスクコミュニケーションの素材として面白かった。
「フレッシュマンセミナー」の内容について
教科書は昨年までとほとんど同じ内容なのだが,授業の方はかなり独自色を出して実施した。昨年度と異なるところは,まず昨年度軽くしか扱わなかったアサーショントレーニングを1回の時間を取ってしっかり実施したこと。また,後半のレポートの書き方に関する進め方を教科書とはほぼ逆に進めたこと(文の書き方から初めて,最後にレポートの構成法に至るのではなく,先にレポートの構成の話をして,それから段々と細部に至るように)。この方法が良かったのかどうかも,学生の最終レポートと授業評価から判断したい。
「科学の社会史」の内容について
科学の社会史の内容は,昨年度までの「科学技術史A」とほとんど同じで,古代から現代までの科学の社会的側面の歴史を通史的に扱った。授業内レポート(「まとめのレポート」と呼んだ)が3回入る分,講義時間が減るのでその分の内容を減らした。また,後期の「技術の社会史」と重複するような内容も簡略化したが,話のつながり上必要なので全く省略することはしなかった。
今学期は,一部のクラスで14回の授業回数が確保できた。同一科目で教える内容が異なることは不公平になるので,14回目は「おまけ」としてビデオを見せることにした。それまでの授業では短く編集したものしか見せられなかったが,このおまけの授業では学生の希望を聞いた上で,授業に関係のあるビデオを丸々見せることができた。このような授業もいいなと思った。できれば全ての授業で最後の回はこのようなものにしてもいいかもしれない。
「技術者倫理」の内容について
前学期とほとんど同じである。そろそろアップデートが必要かも知れない。
成績評価について
今学期も,定期試験は実施せず,授業内レポートなどレポートでの評価をメインにしている。一発勝負の定期試験とは異なり,何回も提出されるレポートは回を重ねる毎に良くなっていくので,調整をせずともそれなりに良い成績が出るものと期待できる。ただ,剽窃に対しては厳しく対応しているので,それによる平均点の低下はあるかもしれない。
<技術者倫理> SとAの割合が41%とかなり高く,Dは6%と低かった(データ)。受講者が17名と少なく,また社会人学生が多かったとはいえ,これまでにない好成績となった。受講者によるこの授業の評価も比較的良かった。授業内レポート方式の成果と言えよう。(7/10追記)
<科学技術コミュニケーション> こちらもSとAの割合が37%と高かった(データ)。今回は,授業にちゃんと参加していたかどうかで成績が上下するような評価法なので,全体に高めの結果となった。理解の度合いなどもきちんと評価できるような評価法を考える必要があるだろう。簡単な試験をするのがよいかもしれない。(7/11追記)
<科学の社会史(科学技術史A)> こちらもSA割合が38%と高かった(データ)。実は,これは調整した結果で,素点では更に高い値だったのだが,若干下方修正した。このようなことは初めてだ。(7/16追記)
【天気】晴れ。
2007年12月18日 火曜日
今学期も,授業が終わりかけた時点で今学期の反省をする。
授業内レポート方式について
今学期の授業の最大の変更点は,「授業内レポート方式」を採用したことである。これは,宇田光氏により「BRD(Brief Report of the Day)方式」として提唱された授業法(Kさんによる紹介)だが,かなり基本に忠実にこれを実施した。具体的な授業の進め方は以下の通りである。
まず,前回の授業内レポートを返却する。名前を呼んで取りに来てもらうが,90名のクラスだと15分はかかる。その後,講評を行う。最初の頃は,よく書けているレポートをOHC(オーバーヘッドカメラ)で見せて紹介した。どのようにレポートを書けばいいか分からない学生も少なくないからだ。また,授業サイトにも数篇のレポートを参考例として掲示した。これらはみな匿名の形で行った。
次に,その日のレポート課題を提示する。多少の説明はするが,せいぜい5分程度。そして,5〜10分程度,構想を練る時間を与える。この時に,学生は教科書・参考書やその時間に配布した参考資料のプリントを読む。これは授業内に行う予習の意味もある。
そして,いよいよ私の講義が始まる。パワーポイントを使って,密度の濃い講義を30〜45分程度行う。内容はそれまで90分の講義でやっていたことを少し減らした程度で,大事なことは伝えているつもりである。また,その講義の中で10分程度のビデオを見せることもある。そうすると,講義時間はますます少なくなる。
そして,最後に授業終了のチャイムが鳴るまで,多くの場合30分前後の時間がとれるが,授業内レポートを執筆してもらう(レポート用紙)。早く書き終わった人から提出して退室してよいことにしているが,大半の受講者は授業終了まで書いていた。
授業が終わった後は,そのレポートを読み,S, A, B, C, 要修正の評価を付け,添削し,コメントを添える。大半のレポートはS, A, B, Cなどを付けるだけだが,1枚に平均2分程度はかかる。90枚だと3時間以上かかる。
このようなやり方を毎回続けた(技術者倫理は全11回,技術の社会史は全10回)。かなり大変だったが,学生の理解を把握するのに役立ったし,誤解しやすいポイントもよく分かった。また,学生の文章力も次第に上達したように思う。最終的な成績評価と学生の授業評価を見ないと判断できないが,かなり有効な授業法だったように感じている。
授業サイトについて
今学期もMoodleを使って授業サイトを構築した。先学期と違い,レポートの提出は紙ベースで行ったので,授業サイトはもっぱら授業に関する参考情報の提供となった。そのため,アクセスはおろか,登録すらしない学生が多数(履修者の約半数)存在した。先に書いたとおり参考レポートも載っているので,あまり良いレポートを書いていない学生には見て欲しかったが,いくら呼びかけても見てくれない学生もいる。授業で,なぜ見ないのか聞いたが,技術的な問題などはなさそうだった。
授業サイトについても,授業アンケートで聞くので,その結果を待ちたい。
板書・講義について
先学期は,あえてパワーポイントの使用を控えて,板書中心の授業を行ったが,学生は自分なりに要点をまとめる力が弱く,そのため理解度が下がったように感じられたので,今学期はまたパワーポイント中心の講義に戻した。講義時間が以前の半分以下になったこともあり,これは有効だったと思う。講義のあとレポートを書かなければならないので,講義を聴く態度が全体的に良かったように思う。私語もほとんどなかった。講義中だけでなく,授業全体で私語は比較的少なかった。90名と比較的大人数のクラスでもそうだった。授業内レポート方式の一つの利点だと思う。
「技術の社会史」の内容について
この科目は今学期が初めてのものだが,旧カリの「科学技術史B」と対応している。しかし,昨年度の同科目とは全く違う内容のものであった。昨年度は,廣重徹『科学の社会史』を教科書として,日本の近現代科学史を取り扱った。しかし今学期は,エンジニアの社会史(教育制度史)を扱った。参考書に村上陽一郎『工学の歴史と技術の倫理』を指定し,最初はこれに沿うかたちで講義をしようかと思ったが,結局自分なりの内容を考えることにした。これは良かったように思う。教科書がなかったため,レポートの参考資料として毎回A4裏表の資料を配付したが,これもちょうど良い分量だったのではないか。学生へのアンケートで確かめたい。
「技術者倫理」の内容について
これは,内容的には前学期とほぼ同じ内容を扱ったが,前学期とその前の学期に扱ったロボット技術の倫理問題については,今学期は扱わなかった。授業内レポート方式をとったため各回に扱える内容が減ったためでもあるが,また,ロボット倫理については別の授業で扱いたいという考えもあってのことだ。分量を減らしてちょうど良かったと思う。
成績評価について
今回は,授業内レポートと宿題レポートのみで成績を付けることにしたので,定期試験は実施しない。授業内レポートは,これまで提出してもらい,返却してきたものをもう一度まとめて出してもらう。「要修正」の評価のレポートは修正版も出してもらう。宿題レポートは,冬休みに取り組んでもらうということで出している。これらをまとめて綴じて,講義最終日の翌週に提出してもらうことになっている。採点表を事務に出すまでの時間が少ないのだが,授業内レポートについてはすでに評価をしているので,レポートの採点と成績評価は比較的楽になるのではないかと期待している。これはやってみないと分からない。
毎回きちんと出席して授業内レポートを出し,宿題レポートもそこそこできれいれば容易に単位は取れると思う。欠席が多いと,レポートの出来不出来により単位を取れないこともあるだろう。しかし,これまでの私の授業よりは平均点がよくなると期待している。今学期から成績評価ガイドラインが導入されるのだが,調整なしでクリアできてほしいものだ。
2008/1/22追記
成績評価の結果は,予想通り,例年よりも良くなった。しかし,宿題レポートの出来はあまり良くなかった。時間をかけてじっくり取り組むことを期待するのは難しいのかもしれない。剽窃も多数見つかった。
今回,レポートのみで評価をしたが,採点の手間は試験の場合とそれほど変わらなかった。
2008/2/18追記
学生による授業評価アンケートの結果は次の通り。
・大学で決められた質問項目について
・授業内レポート方式について
【天気】晴れ。
授業 /
レポート,
剽窃,
成績評価,
授業の反省 最終更新: 2010.7.29
2007年6月29日 金曜日
今学期も、授業が終わりかけた時点で今学期の反省をする。
授業サイトについて
昨年度後期に引き続きMoodleを使って授業サイトを作った。さらに今学期の途中からサーバマシンを新しくし、安定的に運用できるようになった。
前学期と異なる点は、受講者が自分の受講するクラスのサイト1か所にアクセすれば良いようになったこと。前学期は同じ科目のクラス共通のサイトとクラス別のサイト(レポート提出用)の2つにアクセスしなければならなかった。使いやすさが向上したのではないかと思う。そのためか、受講者のアクセス状況がよくなっているような気がする。授業サイトの内容的な充実度はあまり改善されていない。受講者による授業サイトの活用もあまり進んでおらず、単に情報を増やすだけではなく、何らかの工夫(しかけ)が必要かもしれない。
授業サイトが授業とあまり関連づけられていないのも問題である。授業サイトに書かれた受講者の書き込みを授業で取り上げたいと思っていたが、結局今学期はほとんどできなかった。授業に時間的な余裕がないのが主な原因である。
また、毎回授業サイトから小レポートの提出を求めるのは受講者の負担が大きすぎるのかとも思うようになった。学期に数回程度に縮小すべきなのかもしれない。その方が私のフィードバックの手間も少なくてすむ。
板書について
今学期から、パワーポイントを使ったスライドは最小限にとどめ、できるだけ板書をするようにした。しかし、扱う内容はこれまでと同じ分量を予定していたため、時間が足らなくなりがちであった。内容をより精選して授業に余裕をもたせないと、双方向的な授業は実現できない。
8/2追記:授業評価アンケートでは、もっと板書して欲しいという要望が多かった。キーワードのみを書くだけの板書では不十分なようだ。板書をそのまま写せば受講ノートになるような板書を求めているのだろうか。自分でノート整理することを学生に求めるのは難しいような気がしてきた。
講義について
パワーポイントのスライドを使っていたときは、それに講義内容が制約されたが、講義ノート(以前見せていたパワーポイントスライドを印刷したもの)を見ながらの講義は、話の勢いに支配されて、かなり取り留めのないものになったと思う。そのため、話の筋が分かりにくく、理解に苦しんだ受講者も少なくなかっただろう。脱線や余談はほどほどにして、話の分かりやすさを優先したい。
科学技術史Aの内容について
麻疹休講で1回分授業時間が減ったことに伴うスケジュールの組み替えを除くと、基本的に昨年度と同じであった。古代から現代までの通史を講義しているが、時間的に無理があると感じるようになった。半期で扱うには、時代を限定するか、テーマを限定するかする必要があるようである。来年度からは「科学の社会史」と科目名も変わるため、内容を再考したい。
技術者倫理の内容について
この科目も、麻疹休講で1回分授業時間が減ったことに伴うスケジュールの組み替えを除くと、基本的に前学期と同じであった。同じ教科書を5学期(2年半)も続けて使っており、自分にとって新鮮みが欠けつつある。そろそろ内容の更新を考えたい。また、授業方法も講義形式のみではなく、学生参加型の方法を模索したい。
フレッシュマンセミナーについて
昨年度から始まったこの科目は今回2回目となった。内容的にはほぼ同じであるが、練習問題は昨年度よりもかなり充実した。この科目も、私の他の科目同様、スライドを極力使わず黒板で授業をしたため、扱える内容は昨年度より減った。しかし、メリハリのある講義になったように思う。この科目については、担当者間でより詳細な分析・反省を行うことになろう。
定期試験について
基本的なやり方はこれまでと同じだが、科学技術史Aの試験には自筆手書きノートに加えて教科書も持ち込み可とすることにした。これで平均点はさらにアップすることが期待される。8割以上の受験者の合格を期待したい。
8/2追記:試験の結果は、予想に反してそれほど合格者が増えなかった。科学技術史Aの受験者の56%しか合格していない。教科書持ち込み可にしたので、放棄者が減ったためかもしれない。
授業 /
レポート,
授業の反省 最終更新: 2010.7.29
2006年12月14日 木曜日
今学期も、授業が終わりかけた時点で今学期の反省をする。
授業サイトについて
今学期は授業サイトをMoodleで構築した。昨年度前期以来、MovableType → NetCommons → MovableType → Moodleと毎学期システムを変え、その変更作業がかなり大変だったが、ひとまずMoodleで落ち着きそうだ。
Moodleの利点は、大学の授業を進める上での機能が充実していること。レポートの提出やフィードバックなどはなかなか便利だ。
今学期は教室での授業と授業サイト上の活動の連携がほとんどなかったが、うまく関連づけられればさらに有用なツールとなるだろう。
毎週ネット上で小レポートを提出させたため、以前よりも授業サイトの利用度は高まったように思われる。しかし、授業スライドファイルを除くと、サイトに掲載した情報を十分利用していない受講者も少なくなく、まだ工夫の余地は大きい。
今のシステムでは授業サイトの中身を見ることのできるのは受講者のみとなっているが、一般公開したい部分もあり、その区別を自在にできないのが困った点である。Moodleのバージョンアップ(1.6→1.7)をすることでその辺は解決するかも知れない。
科学技術史Bの講義内容について
昨年度と基本的に同じ内容。しかし、現在に近いところ(1980年代以降)は昨年より少し充実したかもしれない。この内容の講義は今学期が最後となる。来年度は新カリ科目「技術の社会史」が始まり、旧カリの学生は「科学技術史B」としてその科目を受講することができる予定。
技術者倫理の講義内容について
前学期とほぼ同じ内容だが、今学期初めて、最後の2回を使ってロボット倫理を扱った。クラスディスカッションも初めて取り入れたが、私としてはそれなりにうまくいったような気がしている。演習的な内容を求める声は以前からあるので、こうした試みを今後も続けてみたい。
定期試験について
定期試験のやり方は前学期とほぼ同じだが、科学技術史Bについては自筆手書きノートに加えて教科書の持ち込みも可とした。科学技術史Bで使っている教科書は岩波学術文庫に収められた2冊の本で、詳しい目次も索引もないもの。それを持ち込んで答案作成に活用できるのは、普段からこの教科書にたくさんの書き込みをしていて目的の箇所をすぐに探せる人だけであろう。どれだけ平均点がアップするか楽しみだ。
*** 補足(2007/1/25) ***
成績評価について
今学期は、科学技術史Bと技術者倫理で得点調整をほとんどしなかった。素点平均点が上がったということもある。その背景には、持ち込み範囲を広げる、小レポートの得点を加える、論述式の問題を減らす、受講者が精選された、など様々な要因があったと考えられる。しかし、科学技術史Bの方は素点平均点が50点余りと決して高くはなかった。それでも全体的な得点調整をしなかったのは、それが成績データの改竄(捏造)になってしまうからである。今回、科学技術史Bの試験では教科書の持ち込みまで許可した。これにより、試験の難易度はかなり下がったはずである。日頃から教科書を読み込み、授業をきちんと受け、さらに小レポート課題にも取り組んでいれば決して難しすぎるということはないはずである。残念ながら多数の不合格者を出してしまったが、これが受講生の実態なのだということを肝に銘じて今後の授業改善に取り組んでいきたい。
なお、今学期の試験では不正行為(禁止された資料の参照)が見つかった。今学期の定期試験の成績がすべて無効となるとともに、停学処分という懲罰が与えられた。本人は自分のした行為の重みを思い知ったと思うが、そのようなことになるということをより強く周知すべきだと思う。私の授業でもそうしようと思う。
授業評価アンケートについて
学生による授業評価は全般的に上がっている。しかしこれは、受講者が以前に比べ半分以下へと減っており、授業に比較的まじめに取り組んだ学生の割合が増えたことによるとも考えられるので、素直に喜ぶことはできない。
授業ウェブサイトの構築にMoodleを使ったことが今学期の大きな変更点だったが、このことについては比較的肯定的に評価されているようだ。使い勝手の向上や学生同士の討論への発展などが今後の課題だ。
【天気】曇り。
授業 /
12月14日,
レポート,
成績評価,
授業の反省 最終更新: 2010.7.29
2006年6月30日 金曜日
先学期に引き続き、授業が終わりかけた時期に今学期の反省をする。
授業サイトについて
今学期は授業サイトをMovableTypeで構築した。授業資料を掲載するとともに、予習・復習の指示も掲載した。また、昨年度は遅れがちであった授業スライドのアップロードを授業前にすることもほぼ実現できた。
受講生がコメントを書き込めるようにしておいたが、受講生からのコメントはほとんどなかった(6/30現在1例のみ)。受講生からのコメントは、授業の最後に書いて提出してもらった出席票から得られた。その一部の紹介や私の回答・コメントは、授業サイトのQ&A欄に掲載した。
受講生数の割にアクセス数が少ないので、全受講生が毎週1回はチェックするということは実現していないようだ。まだ、授業外の自習で授業サイトを活用するという習慣が一般的ではないのかもしれない。
自習に役立つような情報の提供はまだ不十分だ。これは授業期間中にはなかなか充実させる時間がとれないので、夏休みなど授業がないときに充実させておく必要があるだろう。
講義の後に受講生からコメントを求めることについて
先学期試してみた講義後の受講生からの口頭コメントは、今学期は行わなかった。講義時間を長くとるためである。それにより、双方向性は弱まってしまった。授業サイトのQ&Aという形で多少のやりとりは確保できたが、何とかもう少しリアルタイムでの双方向的な授業になるよう工夫をしてみたい。
科学技術史Aおよび技術者倫理について
どちらも内容はほぼ昨年度と同じ。授業スライドもほとんど昨年度のものを流用。昨年度は初めてだったので、授業を進めることで精一杯だったが、今年度は少し余裕をもって行うことができた。いろいろ改善すべき点も見えてきたがそれを改善するまでには至らなかった。今年度は授業サイトを構築することで余力が尽きてしまった。
フレッシュマンセミナーについて
初めての授業。しかも、10人以上の教員が共通のパワーポイントとテキストとワークシートを使っての同内容の授業で、これも初の試み。ほぼ毎回宿題を出し、チェックをするのでかなり手間がかかった。慣れればそれほどでもなくなるだろうか。何とか無事終わりそうだが、その効果は授業評価アンケートの結果を見てから判断しよう。
試験について
先学期に引き続き、自筆手書きノートのみ持ち込み可とする。問題形式はほぼ昨年度同様だが、自問自答問題は出さない。今学期は初めて試験のみで成績を付ける予定だが、果たしてどのような結果が出るだろうか。昨年度の各問題の正答率を参考に、できるだけ得点調整が必要ないような出題を工夫したい。
授業評価アンケートについて
授業評価アンケートの評価項目として、学部共通の11問に加え、予習・復習頻度および授業サイトの有用性を問う独自項目2問を設ける。先学期までは、シラバスと授業サイトの有用性を問う2問を設けていたが、実質的なシラバスは授業サイトに含まれるため、シラバスに関する質問はやめることにした。
授業ラジオについて
授業サイト構築が先で、こちらは当分後回しとなりそう。
*** 補足(2006/8/17) ***
定期試験結果
いつもは定期試験の採点が終わって採点表を出してしまうと安心してしまい、その結果について反省することはないのだが、今回初めてテストの各設問の正答率を出し、受験者集団の成績上位グループ・中位グループ・下位グループの間でその正答率の平均にどれだけの差があるか計算してみた。試験問題としては、各グループ間で適度に差が出るものがよいとされている。
結果は、予想以上に適度な正答率となっていた。上位グループの正答率の各設問の平均で約7割、中位グループは約6割、下位グループは約3割となっていた。(配点の関係で最終的な評点はこの割合より少し低くなる。)
特別易しい問題も特別難しい問題もなかったが、上位グループで正答率が3割前後という問題がいくつかあった。これは問題の出し方および私の授業の仕方に問題があったと言えよう。このようなことが分かったのも収穫だ。
さらに、誤答の分析を行い、今後の授業改善および試験問題作成に生かしていきたい。
授業 /
シラバス,
授業の反省,
授業ラジオ 最終更新: 2010.7.29
2006年1月13日 金曜日
今学期の授業が終わりかけた時点で、今学期の授業の反省をしてみたい。授業が終わり、採点が終わると、気が抜けて反省する気力が失せてしまうので。
○講義の後に受講生からコメントを求めることについて
授業の最後に10分くらい時間をとって、授業に関する感想・質問・意見などを出席票(と私が呼んでいるB6判の用紙)に書いてもらっていたが、今学期はそれを書いた後に、ワイヤレスマイクを回して、口頭でも発表してもらった。そのための時間を取るために、講義は約1時間で終わらせるようにしたが、場合によっては講義が伸びて、口頭発表は省略する場合も何度かあった。紙に書いてからの発表なので、みなちゃんと発表できていた。かなりプレッシャーを感じていた受講生もいたと思うが、大勢の前で自分の意見を言うよい機会になったのではないかと思う。幸い受講生が少なめだったため、多くの場合全員発表できたが、時間がない場合は、マイクが回ったところまでで中断した。毎回、マイクの回し方を変えたので、ほぼみな均等に発表機会があったのではないかと思う。
授業の3分の1もこうしたことに使うのは時間がもったいないのではないか、という意見もあるかと思うが、学んだことを消化するには意味のある時間であったようにも思う。ただ、今後もこれを続けるかどうかはまだ決めていない。
○授業サイトについて
今学期は、NetCommonsというフリーのシステムを利用して授業サイトを構築したが、これはまだ使いにくい。学生個々人の登録はトラブルが多く、うまくいかなくて利用を諦めてしまう学生もいたようだ。ねばり強く何度も挑戦してやっと使えるようになった学生も多いが、無駄な労力を使わせてしまったと思う。登録に関する私の側の手間もばかにならない。NetCommonsにしたメリットはほとんどなかったように思う。学生の書き込みは皆無だった。サイトの構造が複雑になり、使いにくかったということもあるだろう。また、授業中に発言を求めたので、あえて授業外で発言する必要もなかったのかもしれない。Moodleという別のシステムの利用も考えたが、日本語を使うのにまだ完全ではなさそう。来学期は、前期のやり方に戻して、MovableTypeをベースにしてサイト構築をしたい。
○科学技術史Bについて
内容は、廣重の『科学の社会史』をベースにした近代日本科学技術体制史(政策史、制度史が中心)。時代は幕末から現在までを扱ったが、最近に近づくほど講義に苦労した。勉強不足が身にしみた。しかし、科学技術史を看板に掲げて教員をやる以上、それなりの話ができないとなさけない。勉強を続けたい。とても良いきっかけを得たと思う。
○技術者倫理について
内容は前期と同じ。黒田他『誇り高い技術者になろう』をベースに講義。2回目なので少し余裕がもてた。学生数が減ったので、もう少し双方向的あるいは演習的な内容でもよかったかと思うが、いったんシラバスを作ってしまうとそれに縛られる傾向がある。来年度も今年度と同じようなシラバスを出してしまったが、できる範囲で改善したい。
それにしても、私のこの科目の授業の問題は受講生の少なさだ。二部の授業では2〜3名相手にやっている。一部の方はもう少し多いが、それでも教室はがらがらだ。授業の魅力を何とか高めたいと思う。
○試験について
前期は持込一切不可としたが、後期は自筆手書きノートのみ可とした。前期の試験監督をしてみて、何でも持込可というような試験もあったのを見て(パソコンを持ち込んでいる学生がいたのには正直驚いた)、持込一切不可はあまりにバランスを欠いているように思ったからだ。持込一切不可では、試験の不安により受講を見送る学生がいても不思議はない。
これで得点調整なしでも半数以上が合格点(60点以上)を取ってくれるものと期待しているが、やってみないと分からない。これは試験後に反省したい。
もうひとつ、今回の試験でのポイントは、自問自答問題だ。これがどのくらいできるか。前期は自由レポートというのを課したが、これの出来が非常に悪かった。それでレポートはやめたのだ。しかし、自主的な勉強の成果をみたいと思い、自問自答問題を設けた。たまに面白い答案が読めることを期待している。
○教材について
教材は教科書と授業スライドがメインだった。授業スライドはダウンロードしてプリントし、授業に持ってこられるようにしている。他人の本を教科書として使っているが、どうしても使いにくいところがある。自分で教科書を書くのが一番なのだろうが、まだその余裕がない。せめて補足資料を授業サイトに掲載したかったが、ほとんどできなかった。授業を受ける上で参考になるような資料をサイトに蓄積することが今後の課題だ。
○ポッドキャスティングについて
最近ポッドキャスティングが話題になっているが、授業の補足を録音してポッドキャスティングで流す、あるいは、学生からのコメントを読み上げて流す、ということも面白そうだと思っている。が、今学期の授業では実現できなかった。今後もやるか分からないが、気にとめておきたい。
補足(2006/1/27)
○試験について
前期は持込一切不可としたが、後期は自筆手書きノートのみ可とした。これで得点調整なしでも半数以上が合格点(60点以上)を取ってくれるものと期待していたが、結局、得点調整が必要になった。これ以上の持ち込み許可はいまのところ行いたくないので、授業改善に努めつつ、調整幅をできるだけ小さくしていきたい。平均点を上げるため、試験問題に選択式など答えやすい問題を加える必要もあるだろう。
自問自答問題を出したのは失敗だった。これで平均点を下げてしまったようだ。私の期待するような問いと答えはほとんどなかった。私が期待していたのは、授業を受ける中で特に関心を持ったテーマについて自分で本を探して読んだり、ネットで調べたりしたことをまとめて書いたり、自分なりの考察を加えるというものだった。しかし、実際は、単なる感想、根拠のない意見が大半だった。そもそも、立てられた問い自体がなかったり、あっても漠然としていたりして、明確な問題意識を感じさせるものはほとんどなかった。もう自問自答問題は出すまい。
授業 /
1月13日,
シラバス,
授業の反省 最終更新: 2010.7.29
2005年8月3日 水曜日
科学技術史Aの採点4クラス分が終わり、今学期の授業の反省点がいろいろと見えてきた。
予想以上に試験の平均点は低かったが(予想の50点を15〜20点下回る)、決して全員が低いのではなく、先頭集団とも言える1割程度の学生と、残りの学生に2極化しているような気がする。私の予想では、きちんと勉強をした学生としなかった学生の違いかと思う。
そこで、今後の授業改善策としては、日頃からきちんと勉強させるような工夫をすることが必要だ。そのために、次のような案を考えた。
1) 毎回(計10回)、授業の最初に小テストを行う。これは、予習をしていればできるような簡単な問題を毎回5問程度出題する。これを最終的な成績評価の25%に使う。
2) 中間試験。これは、学期の半ばに定期試験とほぼ同じ形式(試験範囲と試験時間は半分)で行う。定期試験に向けての準備を開始させる意味もある。成績評価の25%に使う。
3) 定期試験(期末試験)。持ち込み(参照)は、手書きのノートのみ。成績評価の50%に使う。
4) さらに、出席回数8回未満(ただし初回はカウントせず)の者は受講放棄とみなすことを最初に宣言する。
こうした改善で、平均点は60点以上にアップするものと思うが、どうだろうか。
授業 /
8月3日,
成績評価,
授業の反省 最終更新: 2010.8.3